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2021.02.19UP

松田悟志さんと今月のバスケ雑談
〜Bリーグも目が離せない!〜

観て楽しむバスケはもちろんBリーグだって負けてない! バスケウォッチャーでもある松田悟志さんは国内リーグでも注目選手は多いそう! Bリーグでも雑談していきます。

――Bリーグの日本人選手の中で魅せる選手をあげるならば!?

「面白いのは広島ドラゴンフライズの岡本飛竜選手。一言で言えば、アンドワンみたいな選手です。琉球ゴールデンキングスの並里 成選手もストリートの匂いを感じますし、富山グラウジーズの宇都直輝選手もファンを意識した魅せるプレーヤーですね。でも、個人的に一番は、川崎ブレイブサンダースの熊谷尚也選手。日本人では今までいなかったくらいの身体能力の持ち主で、行かなくていいところでもダンクに行っちゃうタイプ。日本人離れしたフィジカルを持っていて、その豪快なプレーには魅了されますね」。

――バスケっていろんな体形の選手がいますよね。プレースタイルに関係しています?

「していると思いますよ! シューターはタッチが変わるのを嫌がるので、あまり腕をムキムキにしない選手が多いです。パワーフォワードとポイントガードはムキムキ系が多いですね。さっき名前を挙げた並里選手もプロレスラーみたいな体つきですから。彼はアメリカを経験しているのもあって、大きい選手に果敢に突っ込んでいくし、体を当てられても負けないフィジカルがありますね」

――ポイントガードって、スラムダンクの宮城リョータみたいなイメージですけど。小柄でテクニック系という。

「それでいうと、千葉ジェッツの西村文男くんは、そういうタイプかも。彼は僕より細いです。一緒に歩いていたら、バスケ選手と思われるのは間違いなく僕のほうですから(笑)。あんなに細いのになんでプロでやれるのかって本人に聞いてみたら、相手にぶつからないようにしていると…コートの格闘技なのにぶつからないという(笑)」

――今季のBリーグでは、どこに注目していますか?

「ダントツで強そうなのは、千葉ですね。あとは川崎もこれから上がってくるでしょう。日本人のレベルが高いのもそうですけど、外国籍選手の存在が大きいですね。千葉には、渋谷サンロッカーズからセバスチャン・サイズが加入しました。彼はモンスター級の選手ですから。スタッツも安定していますね。今季はベンチに入れる外国籍選手の枠が増えたので、質の高い選手を揃えているチームが間違いなく有利でしょう。あと、今季からアジア枠も採用されているので、この活用法もポイントとなりそうですね。逆に言えば、日本人選手がうかうかしていられない状況になるので、レベル向上のためにもいいルールだと思います」

――三遠ネオフェニックスにフィリピン国籍の選手が入りましたよね。

「サーディ・ラベナ選手ですね! フィリピンって、バスケのレベルが高いんですよ。まだ貧困が多くて、若者の非行が社会問題になった時期に、それを防ぐために、電柱という電柱にバスケットゴールが付けられたんです。ボールひとつあれば、バスケができる。そんな環境が作られたんですね。それで何が起きたかというと、アンドワンが主催したストリート大会で、フィリピンがアメリカに次いで2位になったんです。ストリート上がりの選手がどんどん育ってきていて、今では公式のバスケもレベルが上がってきている。国際ランキングでも、日本よりも上ですから。ちなみに僕は昔、新宿スポーツセンターでバスケをした時、フィリピンの方に1on1でボコボコにされました(笑)」

――昨季の河村勇輝選手に続いて、今季も高校生Bリーガーが誕生しましたね。
「川崎に特別指定で加入した米須玲音選手ですね。ウインターカップを見ていましたけれど、彼もすごい選手ですね」

――どういうタイプの選手ですか?

「同じポイントガードでも河村選手とはタイプが違いますね。河村選手は、富樫勇樹選手に近いけれど、米須選手は、富樫選手タイプではないなあ。誰だろう? ひとつ言えるのは、IQが高い選手ですよね。『そこ、見えていたんだ!』っていうプレーが、試合中に何度もありますから。強いて言えば、田臥勇太選手に近いかもしれない。自ら点も取れるし、状況を打開するビジョンもある。コートに一緒に立ったら、味方でも反応できないようなパスを出してきそうだから、チームメイトは慣れが必要でしょうね」

――Bリーグでも通用しますかね。

「やれると思いますよ。もちろん、身体的にはまだまだでしょうけど、ポインドカードというポジションの特異性を考えれば、スピードと技術で補うことができる。河村選手のようにサプライズを与えてほしいですね」

――高校生がBリーグの試合に出られるというルールはどう思います?

「アルバルク東京に平岩 玄っていう選手がいるんですけど、彼は高校の最後の試合で、八村塁選手とマッチアップして、バチバチにやり合ったんですね。試合は八村選手の明成高が、平岩選手の土浦日大高に勝って優勝したんですけど、八村選手自身は最後まで平岩選手を攻略できていなかったと思うんですよ。その後、八村選手はアメリカに渡って急成長を遂げて、NBA選手になった。それを考えると平岩選手はもっと上に行ける選手だと思うんですが、2人の現状を分けているのは、やっぱり環境じゃないかなと思うんです。早い段階で、高い環境に身を置くことが重要で、だからアーリーエントリーできるこのルールはすごくいいと思うんですよね」

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