2021.03.24UP
松田悟志さんと今月のバスケ雑談
〜凄い日本人選手! 後編〜
Bリーグにだって魅力的な選手はたくさん! 松田悟志さんが改めて注目した選手について雑談しました。
――ところで、松田さんは最近、Bリーグは見てますか?
「正直、あまり見られていないんですが、情報はキャッチしています。今季は宇都宮が好調を維持していますね」
――田臥勇太選手の衰えも指摘されていますが。
「もう、40歳ですからね、衰えないほうがおかしいでしょ。40歳でプレーできている時点で、すごいことだと思いますよ。新潟の五十嵐圭選手も頑張ってますね」
――見ました。キレキレですよね。何度目かのピークをもう一回迎えているという。
「20代前半のガードを置き去りにして、レイアップを入れちゃうとか。もう、わけわからないですね(笑)。どんなトレーニングすれば、あんなに動けるのかと」
――松田さんは五十嵐選手と仲がいいんですよね。
「圭くんは、本当に不思議なんですよ。まだBリーグができる前なので結構前の話ですが、よく2人で飲みに行ってたんですけど、遅くまで飲んだ翌日に試合でめちゃめちゃ点を取ってましたから。昭和の俳優かよ、と(笑)。今はもうご結婚されて、節制もしていると思いますけど、当時はだいぶ、破天荒でしたね。折茂武彦さんもそうでしたけど、もって生まれた身体能力が違うんでしょう。生活云々ではなく試合では大活躍してしまう。逆に、イチロー選手のように節制していたら、どれだけすごい選手になっていたのかと(笑)」
――五十嵐選手はスピードが凄まじいですよね。
「一歩目の速さだけで言えば、短距離選手とあまり変わらないんじゃないですかね。バスケ部って、マラソンも得意だし、短距離も速い人が結構いるんです。走ることが得意な選手が多くいるなかで、当然プロはそんな選手ばかりが集まっているところ。そのなかで圭くんの一歩には、誰もついていけない。それくらい抜きんでているんですよ」
――40歳とは思えないですよね。
「年とともに進化を感じますね。味方を上手く使う老獪さを身に付けながら、トップスピードはそこまで落ちていない。もちろん出し続けるのは難しくなっているとは思いますが、ここぞという時のスピードは全然衰えてないんじゃないですかね」
――バスケ選手の寿命って、普通どれくらいなんですか?
「35歳くらいだと思いますよ。折茂さんは別格ですけど。でも圭くんの場合が、田臥選手が辞めるまでは、辞めないと思いますよ。あそこはめっちゃライバル視していますから。『田臥とマッチアップするのが楽しい』と言い切ってましたしね。2人がバチバチやり合っている試合はめちゃくちゃ面白いですよ。ビリビリとした空気が張り詰めますから。それこそ、電気が見えるくらい(笑)」
――日本のバスケ界を牽引してきたレジェンドですからね。
「あの2人が同い年というのが運命的ですよ。田臥選手は高校の時に無敗。ということは五十嵐選手は高校時代に、一度も勝てなかった。それがプロの世界で対戦し、日本代表でチームメイトになる。その関係性がまた面白いですね」
――ちょっと、漫画みたいですよね。
「それでいうと、千葉の西村文男選手と滋賀の伊藤大司選手。この2人の関係がめちゃめちゃ面白いんですよ」
――どんな関係ですか?
「2人は小学校のミニバス仲間で、中学まで一緒のチームでプレーしていたんです。だけど高校に行くタイミングで、伊藤選手はアメリカに行ってしまう。その時にいつか、バスケットでプロになって、そこで会おうと誓い合った仲なんです。片やアメリカに行きケビン・デュラントとチームメイトになり、片や北陸高から東海大に行き日立で活躍。そんな2人がBリーグで再会する。そのエピソードを聞いた時は、鳥肌ものでしたね。リアルに漫画のようなストーリーですよ」