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2019.10.09UP

 3×3.EXEの選手をチェック!
「バスケを見に行く=映画を観に行く、みたいになってほしい」
岡田麻央選手

3人制バスケットボール『3×3(スリー・エックス・スリー)』は、来年の東京五輪で正式種目に採用された注目のスポーツ。通常のバスケットとは人数だけでなくルールも異なります。試合時間は10分間で、21点ノックアウト方式が採用。得点もシュートが入れば2ポイントではなく1ポイントで、バスケットの3ポイントは、2ポイントとなります。また使われるゴールはひとつのみ。コートが半分と狭いため、攻守が目まぐるしく入れ替わるスピーディな展開が、このスポーツの特長と言えます。
そんな3×3の魅力を様々な人たちに語ってもらうインタビューシリーズがスタート。第1回は元バスケット選手で、現在はタレント活動を続けながら、自身も3×3の選手でもある岡田麻央さんにご登場いただきました。

――3×3(スリー・エックス・スリー)の魅力を教えて下さい。

「3×3はストリートが発祥です。ストリートカルチャーならではの、自由な空気を楽しんでほしいですね。試合中も音楽がかかっているし、MCもある。賑やかな雰囲気のなかでプレーできることは、選手も楽しいですし、観ている人たちも楽しめると思います」

――5人制のバスケットボールとは、どのあたりに違いがありますか?

「通常の5対5でやるバスケットボールとは、まったく違う競技です。一番の違いはスピード感。攻守が目まぐるしく変わるので、ちょっとでも目を離したら展開が変わっているほど、ゴール前での攻防が常に続くので見所ばかりだし、はじめて見る方にも楽しんでもらえるんじゃないでしょうか」

――選手の立場から感じる楽しさはどこにありますか?

「たとえ点差が離れていても、すぐに追いつかれてしまうこともあるので、常に気が抜けないところですね。試合時間は10分なんですが、本当に中身の濃い10分です。5人制ではあまりできないトリッキーなプレーもたくさん出せます。プレーヤー人口は、現状では男子のほうが多いですけど、女子でも気軽に楽しめるスポーツ。戦術もシンプルなので、観ている方も分かりやすいと思いますよ」

――そもそも岡田さんがバスケットを始めたきっかけは?

「バスケを始めたのは小学4年生の時です。それまではソフトボールをやっていたんですが、外のスポーツが向いてないなと気づいたんです。日差しに弱いかもと(笑)。だから屋内のスポーツがいいと考えて、バスケを選びました」

――高校を卒業後に、実業団に入ってバスケットを続けることになりますね。

「お金をもらいながらバスケができるならと、実業団(トヨタ紡織)に入りました。思い切りの良さもあって、ルーキーからかなり試合も出れていたのですが、高校上がりの体の弱さから、1年目の終わりにヘルニアになってしまいました。だましだましやるようになってからは、試合にあまり出られない時期も長く経験し、その時が一番辛かったです。それでも諦めず頑張ったらまた主力に戻る事ができ、副キャプテンにもなりました。バスケを辞めたのは、年齢的にその後の人生を考えるようになったのがきっかけです」

――引退後に3×3をやろうと思った理由はなんですか?

「東京に来て、自分がバスケ以外でバスケに貢献できる方法を考えいろいろ行動をしているとき、幸いにもタレント活動をやらせてもらえるようになったんです。この立ち位置から、今までバスケット選手がしたことがないようなことをしたい。バスケにあまり縁がない人にも気になってもらえる存在になったら、“あの子バスケ選手らしいよ”と、競技以外の面から競技に興味を持ってもらえるかなと。元選手よりも、現役の方が圧倒的に新しい人は取り込みやすいかなと思ったんです」

――3×3が盛り上がってきたタイミングでもありますよね?

「3×3がオリンピック競技になって、リーグが始まった時に、女子バスケ界のレジェンドである矢野良子さんに声をかけていただきました。実業団の頃とは違い、自由に楽しくバスケができるかもという思いもありましたし、自分の表現方法のひとつという考えもありました。バスケでしか見せられない自分というのもあると思っていたので。そして3×3は日本では新しいスポーツで選手がまだまだ足りないという現状もあり、3×3バスケ界発展のためにも3×3をやってみようと思いました」

――3×3のリーグ戦は、どれくらいの時期に行われているんですか?

「現状は6~8月の期間で、4回くらい大会が行われています。試合数が少なく、期間も短いので、モチベーションを保ちづらいのがネックですね。オフ期間、他の大会もあるのですが、選手によってそこへのモチベーションはさまざまです。仕事をしながらやっている選手がほとんどなので、全員が集まって練習するのも難しい。そのあたりも含めて、3×3はまだまだ課題が多いと思います」

――ご自身のプレーで、どのあたりを見てもらいたいですか?

「上手くいって気持ち良いのはアシストなんですが、特に3×3は得点を取れないとアシストもできないんです。まずは自分で点を取りに行くことを考えつつ、味方も使う。バスケットIQは多分そこそこある方だとは思っているので、そこにパス出せるんだとか、そこを見ているんだとか、そういう部分を見てほしいし分かってもらえたら一番嬉しいですね」

――バスケはファッション性の高いスポーツですが、岡田さんもファッションに興味はありますか?

「もともと音楽が好きで、PVでバスケっぽいファッションが出てくるとカッコいいなと思っていたんです。せっかくバスケをやっているんだから、こういう感じでもバスケを見せられたらいいなとも思っていました。だからアイテムというよりも、そのスタイルが放つ雰囲気に触れてほしいですね。アメリカのストリートカルチャーって、かっこいいじゃないですか。そこにはバスケットの存在は切り離せないものだと思っています」

――バスケットのウエアは、そのままファッションにもなりますからね。

「ただのスポーツウエアがおしゃれ着になるんですよ。そのスタイルもバスケの魅力。良くも悪くもカジュアルだし、バスケスタイルの自由な感じが、私は本当に好きですね」

――バスケットシューズも、完全に市民権を得ていますからね。

「ファッションアイテムとして浸透しているのがすごいですよね。コンバースを昔のバッシュと知らずに、ファッションアイテムとして取り入れている人も多いですからね。バスケットって、実は知らない間に触れているんですよ。だからこそやったことない人たちでも、受け入れやすいスポーツだと思います」

――バスケが今後、どのような存在になってほしいと思いますか?

「やる側でも見る側でも、多くの人の熱を生み出せるスポーツになっていってほしいです。色んなものに対して人はそれぞれ好みがあるし、全員が好きになるものなんて絶対ないけど、ダンスブームのように沢山の人にカッコいいと思ってもらえるポテンシャルはとても高いスポーツだと思っています。3×3は、5対5とは違って現状試合は無料で観られますし、外で行うので一般の方がバスケに触れやすいコンテンツです。そこでプレーやファッションでカッコいいと思えるチームや選手がいて、また見たいなと思ってくれる。バスケをかじったことある人が、自分もちょっとまたやってみたいなと思ってくれる。さらに自分の子どもにやらせたいなと思ってくれる。そんな人たちが増えたら、その人たちの人生もより楽しいものになると思います。3×3は公園のゴールで少ない人数で気軽にもできます。多くの人のカルチャーになってくれたら嬉しいですよね」

Photo:Katsunori Suzuki
Text:Yuhei Harayama

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